インドネシアのダンドゥット(DANGDUT)というポピュラー音楽がベースになっている曲です。今風の言葉で言えば、ダサかっこいい曲ということになるのかもしれません。もっともわたしは「ダサかっこいい」の定義がよくわかってないのだけど。とにかくにぎやかで楽しい曲です。限りなく陽(+)のイメージ。
気づいたらいつのまにかフラのお師匠さまになっていたサンディー。
この「HAI HAI HAI」をリリースした90年代の前半頃はまだアジアン・ポップスのどまんなかにいて「ジョゲ!ジョゲ!」(ジョゲ(joget)=インドネシア語で「踊り」の意らしい)と、にぎやかに歌い踊っておられました。
私がサンディーを聴き始めたのもちょうどこの頃。たまたま雑誌で知った「Pacifica」というアルバムを買って聴いてみたのがきっかけだったかな。しかしいざそのキャリアの歴史を紐解いてみると、サンディーはすでに70年代から歌手として活躍していた人だったわけで、わたしなぞはまさに超遅れてやってきたファンだったのでした。
ほとんどがオムニバス形式だったけれど、ライブも何回か見に行きました。
当時のサンディーの印象はとにかく国籍不詳、年齢不詳、スタイル抜群。ひょっとしたら200年ぐらい生きてんじゃねーかなという感じの独特のオーラを放っていました。ただ話し始めるとけっこうおっとりした感じで、それでいてなんとなくひょうきんな一面も垣間見れて、またこのギャップも私には魅力に思えたのでした。そういえば踊りもめちゃめちゃ上手くて、当時からみごとなポリネシアンダンスを披露したりしてたっけ。
サンディーのライブといえば思い出話がひとつ。
今はなき日清パワーステーションで行われたオムニバスライブを見に行ったときのこと。
その日わたしは、2階の出入り自由な立ち見席でサンディーのステージを見てたのですが、途中、私の隣に一人の女性がやってきました。
女性はしばしの間じーっとステージを見てたようなのですが、そのうちノリノリに。音楽に合わせて体を左右に揺らし始めたのですが、そのたんび私の腕にその女性が肩から下げてるバッグがびしばしとあたるのです(笑)。ジャマかなと思い、ちょっと立ち位置をずらすタイミングで何気なくその女性の顔の方に目をやると、なんとそこにいたのは天才肌で有名な超大物女性アーティストY!今日はもうこの腕、洗わない!
やがてYさんは「いちど見てみたかったんだ~♪」と歌うときとおんなじ、ふにゃ~っとした調子で、後方に控えていたマネージャーらしき人に声をかけると、サンディーの出番が終わるやいなや、さも満足そうに颯爽と会場を後にしていったのでした・・・。
これは後年知ったことでしたが、若かりし頃はなんとあのデヴィッド・ボウイからも求愛を受けていたというサンディー。思いのほかすごい女性だったのでした。
そういえば、わたしが盛んにYさんのカバン攻撃を受けていたとき、サンディーが歌っていたのは「HAI HAI HAI」だったかも( ̄▽ ̄)
作品データ
HAI HAI HAI
リリース:1994(平成6)年
歌:サンディー
作詞・作曲:SANDII,GUSTAF H.
rap written & performed:Nana