白い波/ユキとヒデ


日本に本格的なボサノバを持ち込んだのはナベサダ渡辺貞夫)さんなんだそうです。

 


1960年代のナベサダ

カッコいいな

アルバム「My Romance-Sadao Plays Ballads」(1967)より




1962年から米国・ボストン・バークリー音楽院に留学していた渡辺貞夫氏は、1965年、アメリカ・ジャズ界仕込みのボサノバをおみやげに日本へ帰国。
翌年から次々とボサノバにフィーチャーしたアルバムを発表し、日本に一大ボサノバ・ムーブメントを巻き起こします。


JAZZ&BOSSA
 
 Sadao Watanabe
 Year of Release: 1966

ボサノバ・ブームの火付け役となった一枚



こうしたなかでついに日本音楽界にも本格的なボサノバ歌謡が誕生します。
ボサノバ・デュオ「ユキとヒデ」の1967年のデビュー曲「白い波」です。
作曲、アレンジ、バックの演奏をナベサダさん自らが手がけています。

www.discogs.com


暗い。ジャケットが笑。しかしひとたび聴いてみればこのホラーチックな雰囲気のレコードジャケットからは想像もつかない、かなりご本家ブラジルに寄せてる感じの、さわやかな和製ボサノバナンバーです。
「ユキとヒデ」の「ヒデ」は、あの「ヒデとロザンナ」のヒデ(出門英)氏だそうで、「ヒデとロザンナ」に前身グループがあったとは、しかも出発点はボサノバだったなんて、とリアルタイムを知らない私としてはちょっとした驚きの連続だったのでした。でもたしかにヒデの甘くささやくような歌声は、ボサノバにとてもよく似合っている気がします。ヒデは「水木英二」名義でこの曲の作詞も手がけています。

残念ながらヒットには恵まれなかったらしく、「ユキとヒデ」もわずか2年足らずの活動で解散してしまったようですが、この「白い波」はリリースから50年以上経った今聴いても、全く聴き劣りしない出色の一曲であるように思います。まさに隠れた名曲といえましょう。
この曲はけっこういろいろな人にカバーされているようで、ナベサダさんはサックス演奏でセルフカバー。他にも本場ブラジルのアストラッド・ジルベルト(すごいな)、フォーク・デュオのトワ・エ・モア、毛色の変わったところでは女優の高岡早紀とさまざまです。
ヒデはこの曲を「ヒデとロザンナ」としても歌い継いでいて、こちらは「ユキとヒデ」時代のオリジナルのものとはまた一味趣きを異にしたアレンジになっています。
(収録アルバム「ヒデとロザンナ・しんぐるこれくしょん」)
それぞれ聞き比べてみるとなかなか楽しいです。

 

 作品データ 

白い波
リリース:1967(昭和42)年
歌:ユキとヒデ
作詞:水木英二
作曲・編曲:渡辺貞夫
※下記アルバムに収録あり