愛の時代/久保田早紀

1983年リリースの久保田早紀7枚目のシングル曲。
シングル曲にふさわしいキャッチ―なメロディーと、ドラマティックな曲調が印象的な一曲です。
同年発表の「ネフェルティティ」というアルバムにも収録されています。


ネフェルティティ
 久保田早紀
 リリース:1983年
 
 美人さんだわー


愛する人へのひたむきな想いを歌う内容の曲ですが、どうやら単純なラブソングではなさそうです。「あなたはあこがれの空と海」「あなたは果てしない未来なの」といった、大げさすぎるくらいにスケール感にあふれた愛情表現のフレーズや、全体的に夢と現実が入り混じるようなミステリアスな詞の世界観は、これはひょっとしたら時空を超えて展開する崇高な恋愛劇を描いた歌なのかもしれないと、いい意味でぞわぞわと胸をざわつかせてくれます。

歌詞の中で繰り返される「SIDI BOU SAID(シディ・ブ・サイド)」という呪文のような響きのフレーズはアラビア語なんだそうですが、てっきり「I love you」的な言葉なのかと思いきや、チュニジアの有名なリゾート地の名前とのこと。

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photo:Alex Sky@Pixabay
チュニジア一美しい街」なのだそう。行ってみたいっす。

この「シディ・ブ・サイド」という街の名前は、12、13世紀頃にこの地で活躍したブ・サイド(アブー・サイード)という聖人(Sidi(シディ)は「聖人」の意らしい)に由来するそうなのですが、この聖人ブ・サイドには、実はその正体はフランスの国王(ルイ9世)だったという、まるで「源義経ジンギスカン」説みたいな伝説があるんだとか。
敬虔なキリスト教徒で十字軍の遠征に熱心だったルイ9世は、自らも軍を率いて二度の外征に出ますが、二度目の外征中病魔に倒れ、遠征先のチュニジアで亡くなります。ここまでが史実ですが、実は王は死んだと見せかけ生きていて、現地でイスラム教徒に改宗。名前もブ・サイドと改め、美しいベルベル人の女性と再婚し、その後の人生をシディ・ブ・サイドの地で穏やかに過ごした・・・と言い伝えられているそう・・・。十中八九、後の世に作られたフィクションなのでしょうが、たとえ嘘だとしても、思わずエキゾチシズムをくすぐられてしまう素敵な話に思えます。
もしかしたらこの「愛の時代」という、タイトルからしていかにも壮大な感じがするラブソングも、そんなロマンティックな伝説をもとに生まれた曲なのかもしれません。

 作品データ 

愛の時代
リリース:1983(昭和58)年
歌:久保田早紀
作詞:久保田早紀・川田多摩喜
作曲:久保田早紀
編曲:若草恵

愛の時代

愛の時代

  • 久保田 早紀
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes