北駅のソリチュード/河合奈保子

河合奈保子1984年リリースのシングル。


北駅のソリチュード
 河合奈保子
 Release 1984



 


フランスはパリの北駅を舞台に、男女の別れのシーンが描かれる曲です。
しっとりしてます。

出だしの泣きのサックスが「ケアレス・ウィスパー」に激似というのは有名な話ですが、すでに語りつくされてる感があるので、今回はそのへんについてはさておくとしましょう。

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Photo by Paul Fleury on Unsplash
パリ北駅

さてこの曲、辛い別れの曲のようですが、「初めからあるはずのない恋だった」とか他に「待つ彼(ひと)がいる」とか言ってるあたりからすると、どうやら禁断の関係を清算する内容の曲のようです。ずいぶん大人っぽいムードの歌ですが、このとき河合奈保子さんはまだ21歳。今思えば昔のアイドルというのは随分と老成してたもんです。
しかしいつも思うのですが、この手の外国の街を舞台に惚れた腫れたやってる歌って、いったいどこの国の人たちを想定して書かれてるんでしょう・・・。

そういえばずいぶん前になりますが私も一度だけパリの北駅へ行ったことがあります。
たしかパリにはそれぞれ行き先の方面別に5つだか6つの駅があって、北駅はその名が表す通り、北方へ向かう列車が発着する駅。「言うなればパリの『上野駅』ってとこでしょうか」と案内してくれた人から聞かされた私は、北駅の壮麗な駅舎を目の前にして

井沢八郎のパンチ頭や

上野駅にふるさとのなんちゃらかんちゃらという歌碑がある、石川啄木の幸薄げなベビーフェイスを思い出し、

当時、東北新幹線に乗ったり、不忍池の近くにあった親類の家に通ったりとわりと上野駅のヘビーユーザーでもあった私は、なんだか急に現実に引き戻された気がしてなんとも言えない微妙な心境になったのでした。

くわえて「このへんパリでも有数に治安が悪いんです。特にスリには気をつけて!」などとさんざんおっかないことを言われるものだから、近づく者はみな敵とばかりにまわりを警戒。まるでゴルゴ13です。おかげで宿に戻る頃にはすっかり気疲れしてしまって、ロマンティックもへったくれもあったもんじゃなかったのでした。思えばあのときの私も二十歳そこそこ。河合奈保子さんがすでにバリバリの大人の恋愛の歌を唄っていた年頃に私ときたら・・・。成人してたとはいえいろんな面でまだまだ子供だった気がします。

河合奈保子さんはアイドルでいながら、子どもの耳にもそれとわかるほどずば抜けた歌唱力の持ち主でした。このまま本格的な歌手になっていくものと思いきや、おめでたい理由(結婚)でとはいえ、意外とあがりが早かった印象です。今も活躍してたらどんなシンガーになっていたかなあ。

 

  作品データ  

北駅のソリチュード
リリース:1984(昭和59)年
歌:河合奈保子
作詞:売野雅勇
作曲:筒美京平
編曲:萩田光雄

北駅のソリチュード

北駅のソリチュード

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