Love is Blind
Janis Ian
収録アルバム:Aftertones
release:1976
米国のシンガーソングライター、ジャニス・イアン(Janis Ian)の1976年の楽曲です。
悲しい失恋の歌で、寂寞としたメロディーと、心の叫びにも似た悲痛な歌詞が胸を打ちます。本国アメリカではさほど注目を浴びた曲ではなかったようですが、日本では「ドラマの主題歌に起用され大ヒットしたとのこと。1976年放送の「グッドバイ・ママ」という坂口良子さん主演のドラマで、残念ながら私自身は見たことがない作品ですが、ざっとあらすじを追ってみた限りでは、単に悲しいというより、かなり救いがない感じの、痛々しく重い物語だったようです。ジャニス・イアンが歌う辛く寂しい恋の歌は、おそらくこの悲劇的なドラマの世界観とも十二分にマッチしていたのでしょう。
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ジャニス・イアンといえば、私の中では長いこと、キャロル・キングやジョニ・ミッチェルらと肩を並べる、60~70年代を代表する超大物女性シンガーソングライターの一人というイメージでしたが、いざ経歴をひもといてみますと、意外とそのピークの期間というのは短かったようです。また、本国アメリカよりむしろ他国での人気の方が高かったのだそうで、とりわけ日本での人気が絶大だったのだとか。耳当たりの良いメランコリックなメロディーと内省的な歌詞から紡ぎ出される繊細な音楽は、言われてみればたしかに、もののあはれを好む傾向にある我々日本人の感性に刺さりやすいのかもしれません。
さて、近年は日本でも一時代を築いてきた大物ミュージシャンたちの引退が相次いでいますが、ジャニス・イアンも今年(2022年)をもっていよいよ引退してしまうのだとか(正しくは、ご本人曰く”retiring(引退)”ではなく”re-wiring(繋ぎ直し)”だそう)。今年の1月にリリースされた最後のスタジオアルバム(The Light at the End of the Line)もなかなかの傑作で、これで最後だなんてまだまだもったいないような気もしますが、引き際はご本人がいちばんわかっておられるのでしょう。長い間おつかれさまでした。
The Light at the End of the Line
Janis Ian
release:2022
<追記>
寂しげな楽曲とは裏腹に、意外とユーモラスでスルメのような味わいがあるジャニス・イアン先生のFacebook。
一時期は、ゴジラ俳句(Godzilla Haiku)なるものをほぼ毎日のようにアップ
ところで、ゴジラ俳句って何ですの?( ̄▽ ̄)
何せ英語だし、すべてを理解できてるわけではありませんが、地味にジワジワくるので、ここの投稿だけはこれからも続けてほしい(個人的願望)
作品データ
Love is Blind(ラブ・イズ・ブラインド- 恋は盲目‐)
リリース:1976年
歌:Janis Ian
作詞・作曲:Janis Ian