「マンチェスターとリヴァプール」って、まるでこれからイギリスのサッカーの試合でも始まりそうなタイトルですが、フランスの曲です。
Marie Laforêt "Manchester et Liverpool" | Archive INA
煙草を片手に気だるく歌いますのは、フランスの女優兼シンガーのマリー・ラフォレ(Marie Laforêt)。
Marie Laforêt
(1939ー2019)
アルバム「Potrait・1963/1969」より
「あらま、どっかで見たことある」と思ったら、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」に出てる女優さんでした。
太陽がいっぱい
Plein Soleil(1959・フランス映画)
ピカレスク・ロマンの傑作!
「Manchester et Liverpool(マンチェスターとリヴァプール)」は、1966年の楽曲。タイトル通り、イギリス北部の中核都市であるマンチェスターとリバプールを舞台に、恋に破れた女性の悲しみが歌われる曲です。イギリスといえば、雨や曇りの日が多いことがある種、風物詩のようになっているイメージですが、この曲においても、「雨」や「霧」といったワードが用いられたいかにもイギリスっぽい鬱々としたお天気の描写が、曲全体に漂うメランコリックな気分をより色濃いものにしている気がします。曲調(リズムなど)自体はけして暗い曲ではないのですが。
photo: Maxssx@ Pixabay
雨のリバプール
作曲者は世界的大ヒットナンバー「恋はみずいろ」の作者として知られる、フランスの音楽家アンドレ・ポップ(André Popp)。
André Popp
(1924ー2014)
アルバム「André Popp - La musique m'aime」より
1968年には、ピンキーとフェラス(Pinky&The Fellas)というスコットランドの6人組バンドがこの曲をカバーしていますが、これが自国ではさっぱり売れなかったのになぜか日本ではチャートの上位に食い込むほど大ヒットしたんだそう。しかしその後に出す作品はどれも不発に終わり、結局、本国では無名のままバンドはその短い活動を終えたようです。どうりでイギリスのバンドなのに英語版の情報がほとんど見つかりません。
ある意味「異色の一発屋」といえましょう。
Manchester & Liverpool
Pinky&The Fellas
relese: 1968
詞の内容が原曲(フランス版)とはまた違った雰囲気
などと無礼千万なことを書いてたら、こんなオムニバスCDが見つかりました。
誰が一発屋やねん!!
コンピレーション・アルバム
ピンキーとフェラス「マンチェスターとリヴァプール」収録
relese: 1997
お叱りを受けてしまったような気分です(汗)
60年代の名曲をぜひどうぞ。
作品データ
Manchester et Liverpool(マンチェスターとリヴァプール)
リリース:1966年
歌:Marie Laforêt
作詞:Eddy Marnay
作曲:André Popp