哀愁のオリエント急行
つちやかおり
release: 1982
80年代のアイドル歌手つちやかおりさんの1982年の楽曲。
「哀愁のオリエント急行」などと、10代のアイドルが歌うにしてはなかなか渋めなタイトルの曲ですが、しかし「オリエント急行」といってもよくよく聴いてみれば悲しい恋の道行きを列車の運行になぞらえているだけの感じで、実際にオリエント急行に乗ってどうのこうのする歌ではなさそうです。しかも曲の舞台もヨーロッパではなくどうやら東京のようだし・・・。(冒頭に『北緯35度42分 東経139度40分 東京 あなたとの 別れのベルが聴こえる夜です』という船舶無線のようなセリフが入る・・・)
なんだか謎めかしい感じの曲ですが、それにつけてもなかなかの名曲です。1982年といえば私も子供ながらにどっぷり歌番組に夢中になっていた頃ですが、残念ながら当時この曲を見聞きした覚えがほとんどありません。あまりヒットしなかったんでしょうか。だとしたら実にもったいないくらいの曲に思います。歌もうまいし。
哀愁のオリエント急行
1982年発売のシングルと同名の1stアルバム 。
根強い人気があるようでつちやさんのCD中古盤は軒並み高値。
このつちやかおりさんの「哀愁のオリエント急行」ですが、調べてみると、ロジック・システムというテクノポップの音楽ユニットの同名曲と競作でした。こちらは歌なしのインスト曲。ちょっと昔の刑事ドラマのBGMっぽい雰囲気でなかなかいい感じです。(私にはこの曲をバックに藤田まことが聞き込み捜査しているシーンが見える・・・私だけか・・・)この曲に湯川れい子さんによる詞がついたものをつちやかおりさんが歌謡曲として歌ったようです。言い遅れましたが作曲は筒美京平先生。編曲はつちやかおりさんの方が船山基紀さんで、ロジック・システムの方は大村雅朗さんでした。日本音楽界の至宝ぞろい。これでいい曲にならないはずがありません・・・。
哀愁のオリエント急行
ロジック・システム
収録アルバム:東方快車
release: 1982
YMOのプログラマーだった松武秀樹氏のソロユニットによる作品。アルバム全体が「オリエント急行でのアジア~ヨーロッパの旅」というコンセプトで作られているそう。
さてオリエント急行といえば、鉄道ファンならずともあこがれの乗り物ですが、そのオリエント急行に、日本にいながらにして乗れる場所があります。
じゃーん
ここは神奈川県箱根町にある箱根ラリック美術館。この美術館になんと、ウルトラ難度のスゴ業でもって箱根の険をえっちらおっちら運んできたという、本物のオリエント急行の車両があり
※2016年撮影
実際に中に乗り込んで、約100年前のヨーロッパ鉄道の旅の雰囲気そのままに優雅なティータイムを楽しむことができます(ガイドさんによる案内付き)。食器類のみ復元品で、内装や調度品は当時のままの本物らしいです。
コロナ禍の影響でなかなか気軽な遠出が難しい昨今ではありますが、おすすめの場所です。機会がありましたらぜひどうぞ。
作品データ
哀愁のオリエント急行
リリース:1982(昭和57)年
歌:つちやかおり
作詞:湯川れい子
作曲:筒美京平
編曲:船山基紀