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Miami 2017 (I've Seen the Lights Go Out on Broadway) /ビリー・ジョエル

Miami 2017 (Seen the Lights Go Out On Broadway)


Miami 2017 (I've Seen the Lights Go Out on Broadway)
(邦題:マイアミ2017)
 Billy Joel
 収録アルバム:Turnstiles(ニューヨーク物語)
 release:1976

 

 

タイトルに「マイアミ」とありますが、ニューヨークのことを歌っている曲です。
何らかの破壊的な出来事によって、壊滅的な状況に陥ったニューヨークの姿が描かれています。おのずとあの9.11の痛ましい事件のことを思い出してしまいますが、驚くのはこの曲が書かれたのが1975年だということです。ビリー・ジョエルには予知能力があるんでしょうか・・・(@_@)

英語版ウィキペディアによりますと、ビリー・ジョエルがこの黙示録的な曲を作った背景には、1975年のニューヨークの財政危機があったようです。1970年代に入ってからのニューヨークは経済状況が著しく悪化。1975年にはついに破産寸前というところまでいってしまいます。世界有数の大都市がここまでの由々しき事態に陥ったのは、本を正せば1960年代の不法移民の急激な増加に端を発していたようですが、70年代のニューヨークの街には職にあぶれた人々があふれかえり、殺人や破壊行為などの犯罪が横行。街全体がスラム街のようになり、とても安穏に暮らせる状態ではなかったといいます。そしてこの治安の悪化が、今度は担税力の高い富裕層の市外流出という事態を引き起こし、その一方で生活保護世帯が人口の1割以上を占めるようになって、市の財政状況はますます悪化。おまけにも企業も次々と景気の良い都市へ移転していき、それによって失業者がまた増え、はたまた犯罪も増えるという、まさに底なしの負のスパイラル状態に。当時のニューヨークは、それこそ「マイアミ2017」の歌詞に描かれる空想の惨状に、ある意味近いぐらいの荒廃ぶりであったのかもしれません。

ビリー・ジョエルはこのときの故郷ニューヨークの窮状を、当時音楽活動の拠点にしていたロサンゼルスで知ったようです。2001年のペンシルべニア大学における講演ではそのときのことを振り返って「ロサンゼルスには自分のようにニューヨークから移住してきた人たちもたくさんいたけれど、中には『ニューヨークを離れてよかった!』なんてことを言い出す輩もいっぱいいた。でも僕は今こそニューヨークに戻らなくちゃと思ったんだ」と、語っています。

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さらに「マイアミ2017」という一風変わったタイトルをつけた理由については、ほとんどのニューヨーカーがリタイア後はこぞってフロリダ(マイアミ)に移住したがることに由来しているとし、この曲は、2017年にはマイアミでおじいちゃんになっているだろう自分が、孫たちに「昔ニューヨークでこんなことがあったんだよ」と、昔話を聞かせる姿を想像しながら書いた曲だというようなことも語っています。

この「マイアミ2017」はライブでは定番の曲のようで、来日公演の際も披露しているようですが、私が見た2006年の東京ドームのライブ映像では「Before the mafia took over Mexico(メキシコがマフィアにのっとられてしまう前)」という歌詞のメキシコのところを、わざわざトーキョーに変えて歌っていました。単なるファンサービスかもしれませんが、なんだか昨今の世界の勢力図を見ていますと、まったくの絵空事でもない気がして怖いんですけれど、気のせいですかしら・・・( ̄▽ ̄ll) 
単なる取り越し苦労に終わることを切に祈りまして、今回はこのへんで失礼いたします。

  作品データ  

Miami2017(I've Seen the Lights Go Out on Broadway)(邦題:マイアミ2017)
リリース:1976年
収録アルバム:Turnstiles(邦題:ニューヨーク物語)
歌:Billy Joel
作詞・作曲:Billy Joel

Miami 2017 (I've Seen the Lights Go Out on Broadway)

Miami 2017 (I've Seen the Lights Go Out on Broadway)

  • 発売日: 2014/01/21
  • メディア: MP3 ダウンロード