想い出のロックンロール/安田成美
先ずは原曲から
Ex Fan Des Sixties
Jane Birkin
収録アルバム:Ex Fan Des Sixties
release:1978
ジェーン・バーキンの1978年の楽曲「Ex Fan Des Sixties」
邦題は「想い出のロックンローラー」
バーキンの当時の恋人セルジュ・ゲンズブールが作曲した、60年代に活躍したロック・スターの名前をただひたすら羅列していくという、いかにもゲンズブールらしい観念的で風変わりな歌である。
このどうにもつかみどころのなさそうな歌を、なんとあの安田成美が日本語でカバーしているという。ええええうっそー!だだだだ大丈夫なのか⁈
デビュー曲「風の谷のナウシカ」の歌唱をリアルタイムで知る身としては、まさか安田成美が外国曲のカバーに挑戦してるなんてと、にわかには信じられなかったのだが、とりあえず音源を探して聴いてみることに。すると・・・
Image source:Discogs
想い出のロックンロール
安田成美
収録アルバム:ginger(ジィンジャー)
release:1988
Apple Music レコチョク
あれっ?
ヘタウマな感じで意外といいじゃない♪
でも歌い方がなんだかとっても大貫妙子っぽいんですけれど・・・( ̄▽ ̄;)
それもそのはず、この曲(というか、この曲が収録されている「ginger」というアルバム自体)、大貫妙子氏がプロデュースしたものらしい。日本語詞も大貫氏が手がけている。詞の内容は原曲とは一味違うものになっているが、60年代著名ロック・スターへのオマージュという原曲のスタンスはそのまま踏襲されている印象だ。曲名も原曲にあてられている邦題とは微妙に異なっている。原曲の邦題が「想い出のロックンローラー」なのに対し、安田成美版は「想い出のロックンロール」である。
というわけで、かつてナウシカの歌を聴いて、テレビの前でずっこけまくっていた私が、今や安田成美の歌声に魅了されるという、ある意味ミイラ取りがミイラになってしまったような、自分でも予想だにしていなかった結果になりました。
なるほど、安田成美には、和製フレンチ・ポップ路線に乗っかるという手があったのかー。女優さんとしての活躍ぶりは度々目にしていたけれども、歌の方はナウシカ以降、全くのノーマークだったのでアルバムを出していたことすら知らなかった。でも一瞬の戯れのごとく、この曲以降は早々と歌手活動から身を引いてしまったようです。せっかくならこのフレンチ路線でもうちょっと作品を残してもらいたかった気もするけれど。
作品データ
想い出のロックンロール
リリース:1988(昭和63)年
歌:安田成美
作詞:Serge Gainsbourg(日本語詞:大貫妙子)
作曲:Serge Gainsbourg
編曲:大村憲司