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ナザレの舟唄/門倉有希


ナザレの舟唄
 門倉有希
 release: 1998
   

 

門倉有希さんの1998年の楽曲。
ポルトガルの港町、ナザレを舞台にした楽曲(演歌)です。
ぱっと聴き、北原ミレイさんの「石狩挽歌」と雰囲気が似ているなと思ったら、作曲者が同じ浜圭介さんでした。


浜圭介 作曲生活50周年記念アルバム
release:2015
収録曲:石狩挽歌(北原ミレイ)、舟唄(八代亜紀)他、有名曲多数。「ナザレの舟唄」は入っておりません<(_ _)>

 

さて、ナザレといえば、サーフィンのメッカやヨーロッパの人たちの夏の保養地として有名な町で、特にこの高台からのぞんだ海辺の風景をテレビの旅番組などでよく目にする気がしますが

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Photo by Luis Silva on unsplash


華やかなリゾート地としての顔を持つ一方、もともとは古い漁師町であるため、こんな光景にもお目にかかれるんだとか・・・。

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photo by jacqueline macou@Pixabay

てか、ここは本当にポルトガルなのかっ⁉まさか脇の方から漁師役の高倉健とか出てきたりしないよね・・・(昔そんなふうな映画があったような・・・)
なるほど、演歌の舞台になったわけがわかったような気がします・・・。

さて「ナザレの舟唄」ですが、歌詞は、海に出たまま戻らない夫の帰りを妻がいつまでも待ち続けるという内容。おそらく夫は海で命を落とし、妻も本当のところはそれがわかっているのでしょうが、どうにもこうにもその事実を受け入れられないでいる様子が伝わってくる悲しい歌です。「女はみんな黒を着て」というフレーズが印象的ですが、このナザレの町では、昔から住民(特に女性)が民族衣装を着る習慣があり、ことに夫を亡くした女性は、そのときから生涯黒い服を着続けるのが古くからの習わしなのだそう。

ナザレの舟唄(門倉有希)-歌詞

海に出たまま帰らない夫を待つ歌といえば、たしかアマリア・ロドリゲスの「暗いはしけ(Barco Negro)」もそうでした。


Amália Rodrigues - Barco Negro (Maë Preta) (S.T.O, B.S.O Les Amants Du Tage") (VintageMusic.es)

ポルトガルの民謡ファドの代表的な曲ですが、たしかこの曲は、ナザレが物語の舞台のひとつになっている古いフランス映画の中で、アマリア・ロドリゲスが歌ったことで有名になったと聞いたことがあります。ポルトガルのファドは日本の演歌と似ているなどとよく言われますが、たしかにこの「暗いはしけ」もどこか日本っぽい。(もっとも私には演歌というより、後ろのリズムが♪エンヤートットと斎太郎節に聞こえてしかたありませんが・・・)もしかしたら「ナザレの舟唄」のモチーフになっているのかもしれません。

それにしてもファドといい、先ほどの日本の漁師町そっくりな風景といい、遠い遠いポルトガルと日本の間には、鉄砲伝来の昔から切っても切れない不思議な因縁があるようです。近くて遠い国がいっぱいあるというのにね・・・(-.-)

激しい嘆きが伝わってくるような阿久悠氏による暗く重たい詞と、門倉有希さんのパンチの効いたうなり節が印象的な一曲です。

※曲調は全然ヨーロピアンムードじゃないのですが、歌詞をふまえていちおう「ヨーロピアンムードな曲」にカテゴりました。

 

  作品データ  

ナザレの舟唄
リリース:1998(平成10)年
歌:門倉有希
作詞:阿久悠
作曲:浜圭介
編曲:今泉敏郎

ナザレの舟唄

ナザレの舟唄

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