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真夜中のギター/千賀かほる

昨今、子どもを寝かしつけるときに「子守歌」というのはあまり歌われなくなったそうで、子守歌を知らない若いお母さんたちも増えているのだそうです。もっとも母が子に歌を唄って聴かせるという行為自体までもが失われようとしているわけではなく、ただ単に時代の変化に伴って、歌う曲が変わってきているだけなのではないかとする見方もあるようです。つまり「子守歌」は歌わなくとも、何かそれに代わる歌や曲を「子守歌」として聴かせているのではないかというわけです。たしかに、古今東西のありとあらゆる音楽が手軽に聴けるようになった現代は、曲の選択肢も増え、あえて伝統的な子守歌だけにこだわる必要はなくなったのかもしれません。

1970年代生まれの私は、かろうじてまだ昔ながらの子守歌を聴いて育った世代だと思っていましたが、よくよく考えてみれば、私もすでに子守歌過渡期の中で育っていたような気がします。

幼い頃を振り返ってみますと、私の母はもっぱら「シューベルトの子守歌」や「モーツァルトの子守歌(フリースの子守歌)」など、クラシック系の子守歌をよく歌っていた記憶がありますが、それに混じってときどき「明らかに子守歌じゃないけどなんとなく子守歌っぽい歌」を歌っている時がありました。そのひとつがこの「真夜中のギター」です。


真夜中のギター
 千賀かほる
 Release:1969


千賀かほるさんのデビュー曲にして最大のヒット曲。
失恋に傷ついた人を慰めるような内容の曲なので、けして子守歌ではないのですが、曲調がいかにも子守歌っぽい感じの、夜の静寂にぴったりの雰囲気があります。サビの盛り上がり部分だけ少しパンチがききますが。(ちょっぴり青江三奈っぽい)

歌詞に「寂しがり屋」という言葉が出てきたり、似た者同士がどうのこうとか、私も幼いながらに「どうやらこの曲はふつうの子守歌じゃなさそうだゾ」とうっすら気がついていましたが、母が背中をポンポンしながら歌ってくれるこの歌が、私はなんだかとても好きだったのでした。

さて、この曲も長い間歌い継がれているスタンダード・ナンバーのような存在になってまして、ざっと調べただけでも、
石川さゆり石川ひとみ伊藤咲子岩崎宏美UA大山百合香、加藤マチャアキ、ケラ&ザ・シンセサイザーズ、佐藤竹善島谷ひとみダ・カーポ高田みづえ、德永英明、bossarica、やまがたすみこ由紀さおり・・・
と、実にたくさんの人がカバーしています。

名曲は色褪せないですね。

 

  作品データ  

真夜中のギター
リリース:1969(昭和44)年
歌:千賀かほる
作詞:吉岡治
作曲・編曲:河村利夫

真夜中のギター

真夜中のギター

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