シャム猫を抱いて/浅丘ルリ子
さて今回は、往年の大女優、浅丘ルリ子さまが歌う「シャム猫を抱いて」のご紹介です。
浅丘ルリ子のすべて~心の裏窓
浅丘ルリ子
release:1969
斬新なジャケットは横尾忠則氏のデザイン
1969年に浅丘ルリ子さんの芸能生活15周年を記念して発表されたアルバム「浅丘ルリ子のすべて~心の裏窓」の中の一曲。
歌はタイトルそのままに、女性が夜更けにひとりシャム猫を抱きしめながら、なかなかやってこない恋人を待つという内容です。
といっても、この「シャム猫を抱いて」は全編ほぼスキャットから成る曲で、歌詞はわずか4行のみ。演奏時間も2分たらずとひじょうに短い曲ですが、これが国産だとはにわかには信じられないほどのクオリティーを持った和製ボサノバになっています。ドラムのソロから始まるイントロなど垂涎もののかっこよさです。
あまりに名曲ということもあってか、2016年にはなんとオリジナル発表から47年もの時を経て、懐かしいドーナツ盤のかたちでシングル化もされています。
シャム猫を抱いて
浅丘ルリ子
release:2016
残念ながら現在は絶版のようです
それにしても若かりし頃のルリ子さまのお美しいことときたら!
私は女優
浅丘ルリ子(著)
日経新聞の「私の履歴書」をまとめた自伝本。なかなかおもしろいです。おすすめです。
昭和の映画全盛期時代の女優や俳優さんたちは、みな演技だけにとどまらず、本格的に歌手としても活躍していた印象ですが、浅丘ルリ子さんも歌は相当にお好きなようで、もともとは女優ではなく歌手になりたかったのだとか。幼い頃からいろいろなジャンルの歌に親しまれ、「歌は私にとって生きる糧。歌のない人生なんて考えられない」とご自身の著書(「私は女優」)の中で語っておられます。昭和を華やかに彩り、今もなお第一線で活躍する名女優の歌をぜひどうぞ。
作品データ
シャム猫を抱いて
リリース:1969(昭和44)年
歌:浅丘ルリ子
作詞:阿久悠
作曲:三木たかし
編曲:高見弘
※収録アルバム(CD)「浅丘ルリ子 ゴールデン★ベスト」他