さて庄野真代さんはイスタンブールに飛んで、モンテカルロで乾杯したあと、次はどこに行くのかと思ったら、どうやらアメリカ・テキサス州は国境の街エルパソへと向かわれたようなのでした。エルパソって!
マスカレード
庄野真代
エルパソとヒューストン(って何だったっけ)
タイトルのマスカレードに始まり、サロメにジルバ、ドン・キホーテ、アディオス・アミーゴ、そしてエルパソと、詞の脈絡はともかく、とにかくエキゾチズムをくすぐるようなワードを詰め込むだけ詰め込んでしまった感がしなくもない歌ではありますけれども、筒美京平先生の手によるメロディラインが一級品にカッコよく、特に起承転結がはっきりしているので、聴くだけで一本ミュージカルでも見終えたような気になる、なんとも贅沢な気分にひたれる曲なのでした。
私的にはどことなくバリー・マニロウの「コパカバーナ」に似ている感じがするあたりもツボ。
Copacabana (At The Copa)
Barry Manilow
英語のリスニングにもってこい(歌詞悲しいが)
思えば 「東京ららばい」(中原理恵)はサンタ・エスメラルダ風、「魅せられて」(ジュディ・オング)はポール・モーリア風と、その時々の流行りの洋楽のエッセンスを絶妙なさじ加減で楽曲に織り交ぜながら、オリジナルの歌謡曲を作り出してしまうのが抜群に上手な筒美京平先生。ひょっとしたらこの「マスカレード」もそんな遊び心的なポップセンスから生まれた曲だったのかもしれません。
さて「飛んでイスタンブール」「モンテカルロで乾杯」に続き、この「マスカレード」でもスマッシュ・ヒットを飛ばされた庄野真代さんですが、次はどんな曲を出されるのかと思ったら「ジャングル・コング」という、てっきり今度はアフリカものなのかと思いきや、サンバとフラメンコが混じったような、詞もカオスな、なんとも不思議なテイストの曲をリリースされ
さすがに歌の中だけの疑似旅行には飽きてしまわれたのか、「アデュー」と物憂げに、これまでのエキゾチック路線に別れを告げられ